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A52VE ブータンレポート


 

17.家具工場

 休日にはあまりすることのないティンプー住まいですから、時に昼食会をやりましょうと声を掛けると、だいたいすぐ話がまとまります。
夕食会でない理由は夜は犬が怖いからと言うのが理由です。 

昼食会 この時は入手した冷凍牛肉を醤油と日本酒で一晩浸けて焼きました。左から橋本隊員、木須隊員、廣田SV、私、撮影は上野SVでした

 でもここでの話は昼食会の話ではありません。入居したコテージ風の家の家具がとてもしっかりしているのです。
入居の時に本箱が欲しいと書いておきましたが、上の写真の、私の後に写っている様に既にありましたし、テーブルもイスもベッドもとても良く出来ています。
 そのうち、大家さんは
Woodworldと言う家具工場を経営していると言う事がわかりました。
私も多少は日曜大工はやりますので、家も家具も出来の良いのにガッテンです。
 そこで、自分で色々作るべく平板木材は何処で入手できるか角材は?等々街の店で聞き回っていたのですが、作戦を変更しました。
まずは台所のシンクが深くて石作りなので使いにくいため、木で少し背の高いスノコを作りたかったので、作る代わりに絵を描き大家さんに相談しました。

台所シンク シンクにぴったりのスノコが出来てきました。写真は余計な物まで写ってますが、生活のにおいが感じられるでしょう?

 次に無線運用のために大きな蛍光灯を天井に付けましたし、机も別な部屋にあった物をベッドルームに運びました。
理由は寒い冬に暖房する部屋を限定したいためです。
 無線機を並べるために、日本では棚の代わりにコの字型の木の台を作りこの中に無線機、上に他の機材と言う使い方をしていたので、これも絵を書いて大家さんに「出来ますか?」と聞いたところ
OKとのこと、出来上がってきた台は次の写真を見てください。

無線機用台 この台の高さは無線機がすっぽり入る高さで、後は抜けています。上にはANTチューナーがちょこんと乗っています

 この台を受け取って驚いたのは、表面の仕上げは磨いたようにつるつるですし、何よりも釘やネジの頭が何処にも出ていませんでした。
ちなみに、上の写真の右側は木製の本立てで、これは私が日本の
100円ショップで桐のまな板を見つけ(確か3枚を)日本で加工しブータンで組立たものです。軽くて使い勝手も良くFBです。

家具工場 大家さんの家具工場の展示エリアです。丁度お子さんの為に机をオーダーする客があり、イメージ図を書いて注文を受けていました

 だんだん大家さんの家具工場に興味が出てきて、ある日見学させていただきました。
そんなに大きな工場ではありませんが、なんと木材の乾燥室を持っている本格的な施設でした。
木材の切断や仕上げは全て機械で行っており、手で使う鋸やカンナは使用されていませんでした。

棚 山岳国だけあって木材は良い物が使われています

食器棚 とてもしっかりしています。子孫の代まで使えそうです。値段は結構高い価格が付いていました

ベッド 私の家のベッドも同じ作りですが、ベッド下のスペースは、左右とも引出しが付いています

イス 我が家のイスと同じでした

サイドテーブル 全部木製でネジや釘の頭は何処にも出ていません

長椅子と額縁 どちらもとても丁寧な作りでした

 写真に残っていないのですが、更に作ってもらった物に長いハシゴがあります。これはANTを上げたり、松の木の枝を払ったり(7MHzDPの為!)するのに助かりました。
 優秀な家具工場ですが、風呂桶は作れますか?と聞いたら以前日本人に言われやらせてみたが水が漏ってうちの職人では作れないとの事でした。
その時の質問は日本ではどんな木材を使っているのか?と言うものでした。
 大家さんは、ナムゲイ・ウォンチュックと言い、王様の側近中の側近だった方で、退職してから好きで家具作りをはじめたのだそうです。3面図は書けないと言われていましたが、スケッチ図はとてもすばらしく、私もスケッチ図で頼んで正解でした。年齢は私と大差なくとても細かい気配りが出来る方で、メールのやり取りをしてもそれが良く分かりました。
 メールも便利な道具ですが時に日本人同士でも、旨く意志疎通が出来ない事がありますが、下手な私の英語のメールにも言わんとすることを
120%理解した返事が来て感心していました。

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