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A52VE ブータンレポート


 

7.トラブル

 コテージ風の大きな家を借りることにしたのは良いのですが、点検してみると色々手当をしなくてはならない事が出てきました。
大家さんは実は木工所を経営されている方でとても助かりました。
木で作る物なら直ぐ作ってくれます。
その代わり電気的不具合は全て私が直すと言う分担方式で対処しました。
職務上も必要と思われる道具は持って行きましたので大抵の事は出来ます。
持って行った物は、電気ドリル、その刃、鋸、半田ごて1式、工具一式(ダイヤモンドヤスリ含む)、線材(多量)、電圧変換トランス各種、テスター等々です。

 コテージ風なので照明もしゃれた竹かご状のランプシェードが付いて中は白熱電灯です。これでは暗くて何をするにも不向きですので(素敵な女性とお酒を飲むだけならいいですが?)蛍光灯の電球に替えました。
灯かない所はソケットが焼けこげているので買い換えました。

ランプシェード 趣は損なわれますが傘を上げて蛍光ランプに取り替えました。無論ランプの電圧は230V、ワット数は各種有り明るい物22W以上は電気店にあまり無くて結構探しました) 

 洗濯室の天井には横長の大きな蛍光灯がありましたが灯きません。テスターであたると安定器が切れています。大家さんにここは壊れているので白熱灯に替えて、と言いましたら直ぐソケットと白熱灯を1個持ってきてくれました。実はそう言ったのには魂胆があり、この大きな横長の蛍光灯をシャック用に使いたかったのです。オフイスの近くの電気屋?電気工事屋?に訊いてみたら同じ物があると言います。
ここまでは順調でしたが、買って帰って付け替えてもやはり点きません。再度点検すると買ってきた新品の安定器も切れています。
頭に来て安定器をバラしました。

安定器 本体は固いレジンで封入してありますが、接続ターミナルは外れました。

安定器ターミナル部 よく見るとターミナルの裏側は線を巻き付けただけ、半田付けされていません。前のも買ってきたものと同じでした。

 こういう話は、前任地のV73ではC国製でよくありましたが、これはI国製です。でもI国製はC国製より品質が良いと言う人が多いのです。気を取り直して直接半田付けすることにしました。

直接半田付けした安定器 本当は付いていた端子を使いたかったのですが直ぐに割れてしまいやむなく直接半田付けとしました。

 これで良しと、蛍光管を取り付けようとするのですがうまく行きません。

蛍光管接続部 日本では蛍光管を押し込んで回すとピンが両極に接触するのですが、何度やっても管が回りません。それもそのはず、これはそう言う構造ではなく、ピンを横にしてねらって差し込むのです。危なく蛍光管をダメにするところでした。

シャック用天井等 天井から線材で吊って完成です。

ブータンでは230V 2線式でコンセントも多種多様なのでアダプターは現地で買った方がいいとは聞いていましたが、確かに壁のコンセントはざっと4種類位あります。
多いのは
3Pの物でしかも2種類あります。ブータンは電力が豊富な様で(停電はよくありますが)暖房用電気ヒーター(オイル封入型等)が多用されています。かなりの電流を食い、コンセントが良く火を噴くとは聞いていました。

壁のコンセント 3Pの真ん中はGNDでピンも太く可成り電流は流せそうです。

壁のコンセント裏側 コンセント・プラグ皆そうですが、線を差し込んで線に直角なネジで抑える構造です。これではネジがゆるんで過熱する、撚り線の時は接続部で切れやすい、点接触なので直ぐ熱くなる等が起きます。

AC230V 2Pプラグ これも線を差し込んでネジで止めます。線がネジで直ぐ切れて仕舞うので、私は半田付けしてから差し込んで止めていました。

 良く火を噴くと言われている現象は、すべて接続部の接触不良です。変換アダプターも各種売っていて便利なのですが、中は極めて簡単に出来ていて黄銅を曲げ加工したのみ(燐青銅ではない)直ぐグズグズになって、過熱黒こげが起きるようです。

 ブータンと言う国は、工業国ではないのでこれらの製品は全てインドから入ってくる物が使われています。
では自国で良い物を作るべきか?と言っても人口
75万人程度の山岳国ではそれも現実的ではありません。
この国が考えなければならない問題です。

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