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マーシャル便り


9.送別ピクニック

 職場で明日の土曜日はピクニックへ行くから8時半に埠頭へ来るようにと言う話があり、何処へ行くの?って聞いたらすぐそこの島との事でした。
実は、私の勤務先のボスが急に異動になったのです。運輸通信省の下に海運局と通信局があるのですが、その通信局長に当たる人です。
内示があってほんの2、3日で実質移ったので、遅れて送別をかねたピクニックと言うことでした。

 日本でピクニックと言ったら山か海へお弁当持って行くのが普通ですが、ここには山は無いので、ピクニックと言えば近くのピクニック用の島へ行く事を意味します。しかも男達は前の晩から泊まりがけで行って、夜は釣りをするのだそうです。
私は当日参加にしてもらいましたが、家族みんなで参加するようです。

(小島 Atollには大小さまざまな島が沢山あります。この島は小さすぎて無理ですが、砂浜の広いピクニックに適した島が幾つかあります)

(砂浜の子供達 子供達は楽しそうに遊んでいます。とにかく親も皆若いから子供達も年齢が揃っていて、しかも大勢です)

 日本で良く見かける親がついて一緒にあそんやると言う光景は、ここには皆無です。
子供達は、何も無い砂浜ですが実に楽しそうに遊んでいます。私も子供達の好奇心につきあって、ヤドカリをいじめたり?(カラから出てこないと子供達が言うのでライターを借りてチッとだけお尻を暖めました!)

(ヤドカリ その辺に沢山います。お尻を暖められて出てきたヤドカリ)

(木の実 植生は結構豊かでこんな木の実が沢山落ちています)

(男達のポーカー 島の木陰で男どもがポーカーに興じています)

ポーカーが始まるまでは、実はビールを飲んで延々と話に花が咲いていました。
こちらの人は結構小話が好きで、特にレパートリィが多いので有名な人も居ます。大きな笑い声で沸いていますが残念ながらマーシャル語にはついて行けません。

でも、皆が皆ビールばかり飲んでいるわけではありません。私の職場の同僚は島へ着くやすぐに愛用のモリとシュノーケルを持って外洋へ出かけて行き2時間以上も帰ってきません。

(私が捕ったのではない魚 これらの魚を潜ってはモリでしとめて腰の針金に通して上がってきました)

(魚の処理 彼は海辺でナイフを使わず内蔵を出して(捨て)、キモ?肝臓?だけ、これがうまいんだと皿に取っていました)

昼には当然バーベキューです。誰がどうやって準備して用意するのかと思っていたら、昼近く船で食料と料理人がやって来ました。海運局ですから船長も多いし 、当然コックさんも専門職が居るのでしょう。

(BBQ用の肉 船で着いた150QT*のクーラーボックスの中身は全部鶏肉でした。これに料理人が手のひらで刻んだニンニクを振りかけて醤油をガボガボと注いでいました)

*QTquartクオート 1/4ガロン(約1リットル)(全くヤヤクヤシイ?)

かまどを作るのも手慣れた物で、火の上に載せる金網や鉄棒もいつも使う物らしく実に手際よく食事の用意をします。
不思議なことに(ここでは当然?)女性達は一切何もしません。食事の用意もそのほかもです。男達ほどはおしゃべりもしていないようです。ただ砂浜に座ったり寝そべっています。

(ピクニックの女性達 時々小さい子供がお母さんの所へ戻って来るくらいで、あとはずっとこの調子でした。ただ、さすがと思ったのは、帰る時になり、沢山の余った肉やご飯を、やおらテイクアウト用の器を取り出して(持参してきており)しっかり詰めて、帰り支度をしていました。やはり女性は何処の国でも実利に聡いのでしょうか)

浜辺に敷いたり雨よけに使う青いビニール引きのシートは、マーシャル語で「カッパ」と言われています。日本人がかって持ち込んだ合羽がマーシャル語になってしまった様です。

(ヤシの葉の敷物 砂浜に敷物が出来ていました、これがなかなか具合が良いのです。こちらは純正マーシャル産です)

(全員での歌 ピクニックいや局長を送る会も終わりになりみんなで丸くなって歌を歌います。マーシャル語の歌ですがちょっと哀愁も感じられてとても良い歌でした)

(栄転が決まったトニーさん(左)と省のNo.3のベトウェルさん(右)と)

日本でも会社の誰かが栄転すると、お祝いのゴルフコンペとか麻雀大会などと言う企画があった様に思いますが、ここマーシャルは家族ぐるみで大臣こそ来ませんでしたが、いつも同じ所に居る次官以下みんなが奥さんや子供達を連れて丸一日のんびり過ごし、子供達は子供同士海で遊んで過ごし、最後は全員で歌を歌って送るなんて、素敵な送別ピクニックでした。

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