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マーシャル便り


新造船到着

 日本流で言うと年度末も押しせまった3月末、この国の政府が日本に発注した貨物船が約2週間の処女航海を経てマジュロに到着すると言うのです。
 この国の人達は行事は大好きですから、新船到着のお祝の式典準備を朝からしていたようです。

ウリガ埠頭の歓迎準備 テントを張り拡声装置を準備してイスも並べてあります

ウリガ埠頭に集まった人達 ラジオで流される情報で集まるようで、誰に聞いてもはっきりしない到着時刻なのですが、子供達を含め人々がちゃんと集まってきます)

新船AEMMAN到着 日本の呉の造船所から約2週間かけて到着です。船名は小学生から公募した「AEMMAN」(アエンマン)がくっきりと書かれています

 アエンマンの意味は、「新しい潮の流れ」と言う意味だそうです。日本語に訳したら「清流丸」でしょうか、でもこの国に川はありませんから「新潮丸」かな?なんだか文庫本で有名な出版社の船になってしまいますね。
 マーシャル語では「エンマン!」と言う言葉は沢山使われる言葉で、「エンマン ケ?」と言うと意味は日本語の「円満ですか?」と全く同じ意味でしかも広く使われます。
無線通話でも「エンマンcopy?」(とれますか?)と尻上がりに聞いて答えは「エンマンエンマン」又は「エンマンcopy」です。このエンマンと紛らわしい名前で耳の悪い私には、またよけいな苦労が増えそうです。

日本酒 船が着いて、日本から運んだのでしょう日本酒が出てきました

鏡割りの準備 瓶の日本酒を真新しい酒樽にあけています。私も手伝いましたが、しばらくぶりの日本酒の香りに「これぞ日本酒の香り!」と感激してしまいました

鏡割り マーシャルではかって(今も?)母系社会だったそうで、行事の主役はたいてい女性です。大臣はうしろの方です

マス酒のお代わり 男性ばかりでなくご婦人達もお代わりをしていました。入れ物が珍しいらしく人気が高かった様です。香りをほめた人は残念ながら居ませんでした。もしかしたら香りを愛でる文化は無いのかもしれません

 この船は実はお金としては台湾政府が寄付してくれたのだそうですが、発注はマーシャル政府から政府のお金として発注されていますから、新聞にもお金の出所については一言も書いてありませんでした。
作られたのは日本の呉にある警固屋船渠鰍ニ言う会社で、扱い商社はマジュロにLiaison Officeのある南洋貿易鰍ナす。

造船所の本間社長(中央)と南洋貿易鰍フ岩谷さん(右)と このお二人はAEMMANのマジュロ着を祝うこの式典の為に飛行機でマジュロに来られたとのことでした

岩谷さんは長年マジュロに駐在された方ですが、本間さんはマーシャルは始めてとのこと、すべての印象が新鮮で興味深そうでした。この時の写真を空港での見送りの時に差し上げましたら、後で丁寧な礼状を戴きました。

一升瓶の持帰り 樽にあけた後の一升瓶が珍しいのか希望者が続出、しかも残った日本酒をまた瓶に詰めて持ち帰ったご婦人達が沢山居ました。どこの国でもご婦人達はたくましいのです

写真に写っている首に掛けるレイやカンムリは伝統作業とはいえ結構手が込んでいて、すぐに出来る物ではありません。
ですがこういう行事には、きちんと間に合って旨く運営されます。
簡単な何かの設置工事やトラブル調査では、いつも事前準備無しのぶっつけ本番、従って処置が暫定的にならざるを得ないのですが、一度(暫定処置でも)終わると「エンマン!(=円満)」と二度とフォローはされないのが普通です。
少々の事は気にせずにすべて「エンマン!エンマン!」と過ごすのがこの国のやり方の様です。

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